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ラリックスの青いのは
木の新鮮と神経の性質と両方からくる
そのとき展望車の藍いろの紳士は
X型のかけがねのついた帯革をしめ
すきとほってまっすぐにたち
病気のやうな顔をして
ひかりの山を見てゐたのだ


                     印象  宮沢賢治
歓喜の歌
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フリードリヒ・フォン・シラーの詩作品「自由賛歌」
(Hymmne a la liberte 1785年)がフランス革命の直後
ラ・マルセイエーズのメロディーでドイツの学生に歌われていた。
そこで詩を書き直した「歓喜に寄せて」(An die Freude 1803年)にしたところ、これをベートーベンが歌詞として1822年から1824年に書き直したものである。一説にはフリーメイソンリーの理念を詩にしたものだともいう。

余談であるが、
「歓喜のメロディ」は、交響曲第9番オリジナルなものではない。
1808年の合唱幻想曲と、1810年のゲーテの詩による歌曲「Kleine Blumen, kleine Blaetter」において既に用いられている。


[編集] 歌詞(ドイツ語原詞、日本語訳)
An die Freude
O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.
(ベートーヴェン作詞)

Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elysium
Wir betreten feuertrunken.
Himmlische, dein Heiligtum!

Deine Zauber binden wieder,
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder,
(シラーの原詩:
Was der Mode Schwert geteilt;
Bettler werden Fürstenbrüder,)
Wo dein sanfter Flügel weilt.

Wem der große Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!

Ja, wer auch nur eine Seele
Sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wer's nie gekonnt, der stehle
Weinend sich aus diesem Bund!

Freude trinken alle Wesen
An den Brüsten der Natur;
Alle Guten, alle Bösen
Folgen ihrer Rosenspur.

Küsse gab sie uns und Reben,
Einen Freund, geprüft im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott.

Froh, wie seine Sonnen fliegen
Durch des Himmels prächt'gen Plan,
Laufet, Brüder, eure Bahn,
Freudig, wie ein Held zum Siegen.

Seid umschlungen, Millionen!
Diesen Kuß der ganzen Welt!
Brüder, über'm Sternenzelt
Muß ein lieber Vater wohnen.

Ihr stürzt nieder, Millionen?
Ahnest du den Schöpfer, Welt?
Such' ihn über'm Sternenzelt!
Über Sternen muß er wohnen.


歓喜に寄せて
おお友よ、このような音ではない!
我々はもっと心地よい
もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか
(ベートーベン作詞)

歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上の楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高な汝(歓喜)の聖所に入る

汝が魔力は再び結び合わせる
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
(シラーの原詩:
時流の刀が切り離したものを
貧しき者らは王侯の兄弟となる)
汝の柔らかな翼が留まる所で

ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
彼の歓声に声を合わせよ

そうだ、地上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい

すべての被造物は
創造主の乳房から歓喜を飲み、
すべての善人とすべての悪人は
創造主の薔薇の踏み跡をたどる。

口づけと葡萄酒と死の試練を受けた友を
創造主は我々に与えた
快楽は虫けらのような弱い人間にも与えられ
智天使ケルビムは神の御前に立つ

神の計画により
太陽が喜ばしく天空を駆け巡るように
兄弟たちよ、自らの道を進め
英雄のように喜ばしく勝利を目指せ

抱き合おう、諸人(もろびと)よ!
この口づけを全世界に!
兄弟よ、この星空の上に
父なる神が住んでおられるに違いない

諸人よ、ひざまついたか
世界よ、創造主を予感するか
星空の彼方に神を求めよ
星々の上に、神は必ず住みたもう


To see a World in a Grain of Sand

And a Heaven in a Wild Flower,

Hold Infinity in the palm of your hand

And Eternity in an hour.



ひとつぶの砂に ひとつの世界を見

一輪の野の花に ひとつの天国を見

てのひらに無限を乗せ

ひとときのうちに永遠を感じる





「無心のまえぶれ」より
         
ウィリアム・ブレイク



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作品第三一二番

正しく強く生きるということは

みんなが銀河全体を

めいめいとして感ずることだ

   ・・・・蜜蜂のふるいのなかに

       滝の青い霧を降らせ

       小さな虹をひらめかす

       いつともしらぬすもものころの

       まなこあかるいひとびとよ・・・・

並木の松の向こうの方で

いきなり白くひるがえるのは

どれか東の山地の尾根だ

       (祀られざるも

        神には神の身士がある)

ぎざぎざの灰いろの線

       (まことの道は

        誰が考え誰が踏んだというものでない

        おのずからなる一つの道があるだけだ)

ここはたしか五郎沼の岸で

西はあやしく明るくなり

くっきりうかぶ松の脚には

一つの星も通って行く

   ・・・・今日のひるま

       ごりごり鉄筆で引いた

       北上川の水部の線が

       いままっ青にひかってうかぶ・・・・

わたくしはこの黒いどてをのぼり

むかし竜巻がその銀の尾をうねらしたという

この沼の夜の水を見ようと思う

   ・・・・水部の線の花紺青が

       火花になってぼろぼろに散る・・・・


            作品第三一二番(「春と修羅第二集」より)


               宮沢 賢治



注解:

「身士」・・・身のよりどころとなる国士、環境などのこと。
「五郎沼」・・岩手県市紫波郡紫波町南日詰にある。
       五郎沼堤とも言い、古くから農業用水に利用されていた。
       沼には主がすんでいたという伝説があり、桜の名所。
「花紺青」・・青ガラスを粉にして作った美しい青絵の具。
       またはその色をいう。
春と修羅
わたくしといふ現象は

假定された有機交流電燈の

ひとつの青い照明です

(あらゆる透明な幽霊の複合体)

風景やみんなといっしょに

せはしくせはしく明滅しながら

いかにもたしかにともりつづける

因果交流電燈の

ひとつの青い照明です

(ひかりはたもち、その電燈は失はれ)


これらは二十二箇月の

過去とかんずる方角から

紙と鑛質インクをつらね

(すべてわたくしと明滅し
 みんなが同時に感ずるもの)

ここまでたもちつゞけられた

かげとひかりのひとくさりづつ

そのとほりの心象スケッチです





大正十三年一月廿日  宮澤賢治

<[序]より〜>




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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