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むかし味わったやさしい味や匂いはその時の思い出と共に永遠のものになる。


そのときに比べたらきっと

こころは純粋な蒼さを失い

善悪を感ずる鋭敏さはその影をなぞるだけかもしれない。

難く表情を繋ぎ合わせ

己を隠し衝撃から守ったつもりが見失い

涙で固めた蝋を解かしたいと願ってもその熱はもう戻らない。

もう死んだのだと

宙に浮かんだ意識を無意識に手繰り寄せる



絶望から見渡す景色のなかでさえその光は遥か頭上で輝き

この身を包んでくれる。



その光の説明はどんな言葉を使っても現せない。


それは父親が子どもの頭を撫でる瞬間だったり

母親が胸の中で眠る子を見つめる眼差しの中にある


その記憶をふと思い出すとき悲しみや虚無感は色褪せる。

その光を追い続け探し続けることもまたいいかもしれない。

でもそんなことをしなくてもいいんだ

もう既に己の体を照らし続けている光があるのだから
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