桃花源の詩(うた)






秦の始皇帝が天下の秩序を乱したので

賢者は世を避けてその身を隠した

夏黄公などは商山に隠れ

この桃花源の人も身を隠した

その足跡は次第に消え失せ

ここに来る道もやがて荒れ果てた

互いに声を掛け合って農耕に励み

日暮れになると家に帰って休む

桑や竹はありあまる木陰を地に落とし

豆やきびは時候に従って植えつける

春の蚕から長い糸を取り

秋の稔にもお上からの税はない

草深い道は遠くまで交わり通じていて

鶏や犬が互いに鳴き吠えている

祭器はなお昔のままで

衣装にも新式のものはない

子供たちは気ままに歩きながら歌い

老人たちも楽しげに訪問しあっている

草が茂って気候が和らいだことを知り

木の葉が衰えて秋風の激しさを知る

暦の記録はないけれども

四季が自然と一年を作っている

心はのどかに楽しみは余るほど

だから知恵を働かすことなど不要

桃花源が隠れること五百年

ある日神秘な世界が開けたけれど

この地の純朴と世間の軽薄は大違い

その道はまた深く覆われてしまった


世俗にまみれた人にお尋ねしたい

あなたは世俗の外の世界をご存知かと


どうか私は軽い風に乗って

この世を超越して桃花源を訪ねたいものだ







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